任せるだけではダメ。

阪神タイガースの金本選手、連続フルイニング出場記録が途切れました。
スタメン出場が途切れただけなのに、メディアの扱いも僕たち野球ファンの雑談でも、なんだか引退発表をしたかのようです。彼が続けてきた記録はすごいものなんだと、再認識しました。

ところで、記録が途切れた日、メンバー発表の直前まで彼の名前はメンバー表に合ったそうです。監督は彼をスタメンとして考えていたと。

http://www.daily.co.jp/tigers/2010/04/19/0002890555.shtml
「最後まで、監督もヘッドも『出てくれや』という感じだったけど、これ以上出てもチームに迷惑をかけるし、特にピッチャーに、あのスローイングじゃ、迷惑をかける。『勝つための手段として、僕は外れる』ということを伝えた」。試合後、バスへの通路を歩きながら、金本は穏やかな口調で舞台裏を明かした。

この事について「そら、監督から出るなとは言えないよ。」という意見が多くて、僕もそう思っていました。
メンバーの決定は監督の専権事項です。その至極当たり前の事が成り立たなくなっている。彼と彼の記録があまりに大きくなったから。よく言えば「彼や彼の記録へのリスペクトがそうさせた」ということになるのでしょうか。

金本選手は自分で決めました。でもやっぱり本人が決めるというのはしんどかったでしょうね。本人には欲もあるから。こうなる前に監督(真弓さんも岡田さんも星野さんも)は代わりに決断する事はできたはずです。その権利はあるのだから。でも権利を行使するには責任を覚悟しないといけない。

http://www.daily.co.jp/tigers/2010/04/19/0002890557.shtml
「メンバー交換の時に『本当にこれでいいのか』と思いましたね…」。鮮やかな逆転劇にも、笑顔でいられるはずがなかった。試合後のベンチ裏。指揮官は憔悴(しょうすい)しきった表情で、苦渋の決断を振り返った。


少ないながら「周りの人に動いてもらう事が仕事」の立場にいると「どこまでをメンバーに任せていいのか?」を悩む毎日です。
そういう時、「相手も一人前だから任せる」という理由で片付けちゃうんですが、本当はそれはダメなのです。「一人前」と勝手に判断したのは、こっちの都合だから。任された方は「それどころじゃない」かもしれないわけだから。メンバーに任せると決めた時は、必要なサポートをする責任(と結果に対する責任)を覚悟しないといけないと。

真弓監督と金本選手の決断に比べたら、僕の周りの決断なんてたいした事ないですが、ちょっと考えてみた次第。
久しぶりにAppleと関係のない話でした。