学校にはIT部門なんてないのに

最近「電子教科書」という言葉をよく聞きます。iPadが世に出たことも影響してるのかな。
どういう教科が適してるか?コンテンツはどんなのがいいか?小学生にはどうか?などなど。まだまだ議論をしている段階ではありますが、いつかはたどり着くところなのでしょうね。


ところで、電子教科書が動くデバイスの面倒は誰が見るのでしょうか?コンテンツ以前に、ハードとしてきちんと動くためにはいろいろやらねばならないことがあります。故障とか破損とか紛失とか充電とか買替とかコンテンツやOSのバージョンアップとかウイルス対策とかとか。いわゆるメンテナンスってやつですね。


それなりの規模の企業であればIT部門があって、そこで上に書いたようなことや、「うまく動かない」「落として壊れた」「使い方がわからない」という声に対応したりしてます。とはいえ、いわゆるIT業界のはしくれとして知ってる限り、普通IT部門にはそれほど人員はいなくて手薄です。
もちろんデバイスのことだけじゃなくて、IT部門はシステムの面倒もみています。自分が構築に関係していたものならまだしも、何年も前から動いていて中身がよくわからないものもある。説明書や設計書が残っているはずだけど、何度かのシステム改修の結果、それらのドキュメントが当てにはならない。
そんな中で、もっとITを使って経営に貢献できないのか!と経営層には言われ、現場からは使いにくいと言われると。


企業のIT部門でさえそんなことなのに、コンテンツ作成やメンテナンスということまで、学校の先生に押し付けちゃダメだと思うんですよ。
忙しいとかスキルがないとか理由はいろいろだけど、できない人に仕事をさせても、ちゃんとした成果は上げられないです。だから、本気で「電子教科書を子供達に」と言うなら、それを支える人を用意しないといけない。よしんばそれを先生の役割とするなら、時間とスキルとか「できる環境」を与えてあげないと。


子の親としては、先生のスキルや取り組み姿勢によって違いが出るのもどうかと思うし、どっちかと言えば先生には他のことに時間を使って欲しいので、上に書いたようなことはお金を使って解決(アウトソーシング)する方向で、ほんでもってIT業界の人としては、そういう仕事もしてみたいなぁ、と思っていたりしてます。