彼らの基準とそれに基づく判断

少し前にAppStoreから、お子様向けでなさそうなアプリが一斉に削除されるという事がありました。
これからリビングのソファーで使うiPadを売り出していこうとするAppleが、そういうアプリをよく思わないという考えは分からなくもありません。
ただ、そんなアプリにもディベロッパーはいるわけで、Appleにとって好ましいアプリと同じように時間やお金をかけて作っていたでしょうから、「アプリの中身」で急に削除されたたらショックだろうな、と仕事がら思いました。(一度は審査に合格しているわけですし)
まあ、AppStoreはAppleのものなのでやむを得ないと思いますが、レーティングの仕組みもあるのですから、そのあたりもう少しシステム的な仕組みができないもんでしょうか。



アプリはこんな風に削除されたりしましたが、電子書籍はどうなんでしょうか?
いわゆる公序良俗に照らして、売っちゃいけない内容の本とか写真集とかありますよね。実際に紙で流通しているものを電子化するだけであれば問題ないですが、「これからは紙の本がなくなるぞ!出版社なんてなくても、個人で出版できるようになるぜ!」という意見(個人的には同意しかねますが)でいくと、個人で出版したり、電子書籍オンリーものが増えてくる事になります。
そうなると、それらの内容についてチェックするのはiBookstoreの責任になるのでしょうか?そんなの無理ですよね。ときどきシャレにならん内容のアプリが一度登録されてから削除されたりしていますけど、書籍だと見るべき量が半端じゃなくなるから見きれないし、基準も作って運用しなくっちゃいけない。そもそも国によって公序良俗の基準も違うだろうし。アプリとして作られる書籍もあるでしょうから、これからますまず「Appleの審査」がいろんな意味で重要になってきます。大丈夫でしょうか?


この内容チェックもですが、僕たちの手もとに本が届くまでには「テキストを印刷して製本して流通させる」というiBookstoreが実現できること以外にも、やらなくちゃいけない仕事がたくさんあるのかもしれません。そういう意味では、出版社はそう簡単にはなくならないのでしょう。iTunesStoreがこんなに盛り上がっても、レコード会社がなくならないように。