桃栗三年柿八年、さてiPadは何年?

AppleによるiPadお披露目会で印象に残っているフレーズで「Over 75 million people know hot to use iPad」というのがありました。いかにもAppleらしい表現だと思いましたが、iPadの初期ターゲットユーザーはiPhoneiPod touchのユーザーである。ってことです。まあ、そらそうでしょう。


で、初期じゃないターゲットは誰なのか?「次」と「その次」「その次の次」の3つ考えてみました。

「次」は家にパソコンはあるけど使えない人

今やパソコンはだいたいの家庭にあるんではないでしょうか?
あっちの国がどうなのか分かりませんが、日本だと85.9%のようです。(ちなみに携帯は95.6%)
総務省|平成20年「通信利用動向調査」の結果
http://www.soumu.go.jp/main_content/000016027.pdfの7ページ

みんな一度は買ってみてるわけです。動機はいろいろでしょうが、活用具合もばらばらで僕の周りだと、

  • パソコンを使えるようになりたくて、ワードとか勉強しようと思ったけど今はやってない。
  • インターネット(=Yahoo)で調べものはするし、メールもする。
  • プリンターは年賀状以外にほとんど使わない。
  • 父さんが買ってきて、いろいろやってるけど、教えてくれない。

というような話をよく聞きます。
そういう人たちに、「これなら使えそう」と思わせれば売れるんじゃないか?テレビの情報番組やワイドショーで取り上げられるまで1年ぐらいかかるかもしれませんが。

「その次」はパソコン以外も使える人

僕らにとっては、パソコンが世の中に現れて、その後インターネットが出てきたので「パソコンはインターネットもできる」という感覚です。
でも、最近の最近の若い人は、携帯でブラウジングもSNSもメールもネットショッピングも済ましちゃうんだそうで、「インターネットはパソコンでもできる」ということらしいです。
彼らは、インターネット以外のことがやりたくなった時も、そういう感覚で「パソコン」も「携帯」も「iPad」も選択肢の一つにしちゃうと思います。やりたい事ができるツールであればそれでいいのです。もちろん彼らは「わざわざ使えるようになる」ために、パソコンを買う必要などありません。学校でも教えてもらったし、家にもあったから。
そういう人たちに、パソコンほど高価でなく、携帯でできない事もできて、モバイルで使えるiPadは売れるんじゃないか?WiFiスポットが増えたり、モバイル通信環境が整っていく2、3年はかかるかもしれませんが。

「その次の次」パソコンなんていらない人

今も昔も子供はおもちゃが好きです。でも、おもちゃという言葉が指すものは変わってきて、今の代表はやはりゲームです。
Appleは最近iPod touchはゲーム機だとプッシュしています。最初のApple体験はそれでよくて、ゲームに夢中な子供も、学校の課題のためにSafariや辞書アプリを使うようになり、そうやって彼らが揃えたアプリが多ければ多いほど、携帯を使う年頃になればiPhoneを買う。そういう記事を以前に見かけました。
iPadもそういう流れに乗るもののはずです。iBooks Storeの具合によっては、もしかしたら教科書や小説を読むためにiPadを使うのかもしれません。
そういう人(っていうか今は子供ですが)たちに、iPadは売れるんじゃないか?彼らが大きくなるまで数年はかかるかもしれませんが。


2、3年とか、数年とか、そんな先の事?と思うかもしれませんが、iPhoneが出て3年です。iPodなんてもう8年です(ももくりさんねんかきはちねんですね)。どっちも最初は評価されませんでした。特に音楽業界と電話業界に。僕の妄想は別として、iPadも今回の製品と今の世の中のものさしだけで判断しちゃダメだと思うんですよ。


# 普及率のグループ分け、iPadはどこに入るんだろ。