AppSoreの価格

「好きこそものの上手なれ」っていうけど、好きでやってる人にビジネスでは絶対かなわない。

ビジネスでは販売価格と販売予測から計算される金額の範囲内でしかコストをかけられない。特にゲームは開発費がたくさんかかってしまう。それでいて無料や低価格のものでも、夢中になれるものもある。「何かを作り出すとかではなくその時間を楽しく過ごす」というゲームの特性上、格安ゲームでもユーザーニーズをある程度満たせてしまうというのも、ゲームベンダーにはつらいのだろう。


ユーザーは、よく作り込みまれている面白くてグラフィックがきれいなゲームをやりたいと思ってる。でも、あまりお金は使いたくないとも思ってる。
なんでもものを買うときは、「コスト」と「得られるもの」を天秤にかけるわけですが、アプリの場合は未来の体験を買うわけで「得られると思われるもの」になる。「得られると思われるもの」がどのくらいかは、想像するわけです。


昔のPCやファミコンのゲームは買う前にほとんど情報がなかった。でも選択肢も少ないので、とりあえず買ってみると「クソゲー」だったりすることも多かった。
今はランキングとかレビューとかYouTubeとかTwitterとか、買ってもいないアプリについて得られる情報がたくさんあって、買ってみて失敗と思うことはほとんどない。「思ってた通りのものが得られる」わけです。でも、事前に分かってしまうからこそ買うのをやめる事も起きてしまう。(ネガティブなレビューとか同じ機能をそれなりに使える格安アプリとか)


AppStoreというのは、参入のしやすさとiPhoneOSというプラットフォームのおかげで今までとんでもなく盛り上がってけたけど、やっぱり先はあまり明るくないのかな。最終的にフリーや低価格の「それなりのアプリ」ばかりになったとしても、Appleはちっとも損をしないというのは、ちょっと気に入らないな。ベンダーは撤退するし、ユーザーはそれなりのものしか得られなくなるのに。そのころにはWebアプリの時代になってるのかな?


でも当分は、何か高いアプリに価値を見いだせるいい仕組みができて、しっかり作り込んだアプリが適正な価格で売れるようになるといいのだけど。