SONYのVAIO

ただのNetbookじゃ、VAIOになれぬ (1/3) - ITmedia PC USER

伊勢 私は、開発された製品をどのようにして国内市場に広めていくかを考える立場です。マーケティングですね。VAIO Wだけではなく、VAIOシリーズ全体を見ています。

武上 私は、各VAIOシリーズを企画する立場で、コンセプトやターゲット、仕様などを決めます。VAIO Wの担当となって、いま挙げた項目について具体的に決定していきながら商品化を進めました。

Macばっかりの僕ですが、やっぱり日本人なので日本メーカーも気になります。その中でもVAIOですが、とにかくいろいろあってよくわからない。いったい作り手はどういう風に思ってるのかな?と読んでみました。

武上 ユーザーのやりたいことに合ったVAIOを用意するということですね。そういう意味で、VAIO WはVAIOユーザーに用意した数多くの選択肢の1つなんです。ただ、ユーザーが間違ったVAIOを選ばないように正しいメッセージを確実に伝えることが求められます。どのモデルでもそのメッセージはきちんと出していて、カタログやWebページを見れば分かるはずです。

え!?分かるはず?それはどうなんでしょう?まあ、僕も一生懸命追っかけているわけではないですが、それなりには情報を仕入れているつもりではあるのですが、さっぱりです。

 

伊勢 幸い、ユーザーもWindows 7のことはよく知っているので、OSの世代交代のタイミングを把握したうえでVAIO Wを選んでいます。彼らは、VAIO Wを使う目的も正しく理解していて、店頭で実物を試してから購入することもできます。自分がVAIO Wでやりたいことが実際にできるかどうかを調べたうえで、このタイミングでもWindows XPで問題ないと判断してもらえるんじゃないでしょうか。

武上 企画を進めているときに、いろんな人から自分のPCに入っているOSの種類を聞いたんですが、Windows XPWindows Vistaかを知らないユーザーがかなりいることが分かりました。普通のユーザーは、OSの種類をあまり気にしていないんですね。やりたいことができればOSはなんだっていいんです。VAIO Wにマッチするのは、そのくらいOSを気にしないユーザーです。そこに大きな手付かずの市場が隠れているのではないでしょうか。

えーと、VAIO Wのターゲットはどのあたりでしょうか?
伊勢さんは、ユーザーはいろいろ調べてタイミングもはかって買うと思っているようだけど、武上さんは、OSなんてなんだっていい、いろいろ調べたりしないと思っているようです。

武上 意識はしましたが、女性を100%ターゲットにしていたわけではありません。VAIO Wの商品企画に配属された当初から、ターゲットとして幅広い年齢層を考えていました。ノートPCの利用場面をいろいろ調べてみたところ、既婚女性の多くが1台のPCを家族と共有していたので、そういう人に自分専用のPCとして使ってもらいたいと考えるようになったのです。

武上さんの頭の中は明らかに女性をターゲットにしているはず(不織布とかピンクとか)なのに、どうしてそう言い切らないのでしょうか?それではダメなんでしょうか?
「昼間は、ブログとかいろいろできるのに、父ちゃん帰ってきたらさわられへんやん。もう。」ってなところがターゲットです。だからWebぐらいしかできなくても安くておしゃれなので、それでいいんです。って。そういう風に思って読み返すと、メッセージがストンと入ってくるんだけどなー。


いろんな製品ラインがあって、しかも作り手が狙うところを言い切れないってことは、選択する側にはつらいですよね。そのうえ、「カタログやWebページを見れば分かるはずです。」となると。
がんばってるんだと思います。でもきっと「会社が縦割りで動いてるんだろうなー」「なるべく売り上げ上げないといけないんだろうな」って会社員としての僕は変に納得してしまったわけです。


うーむ。日本の未来はどうなんでしょうか。がんばれニッポン!