ジョブズたちの会社

「デジタルライフスタイルの未来はiPhoneにある」――フィル・シラー (1/4) - ITmedia PC USER

実際の口頭のやり取りがどれだけあって、そのあとでどのくらいの編集がされたのか分かりませんが、この内容をスラスラ答えたのだとすれば、フィル・シラーって言う人は、すごい頭がいいか、すごい正直かのどっちかなんだろうな。

びっくりするような事は別に何も言ってないのに、なんだか印象的で、Appleに好意を持っている僕のような人でなくても、スッと入ってくるんじゃなかろうか。「Appleは何か違うな、いい意味で。」って。あとAppleは会社であってジョブズ個人じゃないとも。

Windowsで日々つきつけられるセキュリティ問題やウイルス問題といったものにも向き合う多大な労力。また、WindowsだとハードウェアもOSも使っているアプリケーションもバラバラの別の会社が作っていて、何か問題があった時にはどこが責任を取ってくれるのか分からないという事実を思い出します。これらの状況はWindows 7の登場をもってしてもまったく変わっていないことに気がつくのです。
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一方Macはといえば、アップルが1社で責任を持って、工業デザインからハードウェア技術、OS開発まで行っています。そう考えると、Windows 7の登場後のMacは、これまでと同様、あるいはこれまで以上に、顧客の目に有望な選択肢として映るのではないかと思います。
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どんなにすばらしい商品にもトレード・オフはあります。例えばノートPCを例に挙げてみましょう。最近のノートPCでは、パフォーマンスが求められます。CPUに加えて、大容量のメモリ、そしてHDD。しかし、その一方で、薄型軽量であることも求められています。また、長いバッテリー動作時間を求める声もあれば、手ごろな価格への要望もあります。これらすべてが相互のトレード・オフ要因となっているのです。
 これは顧客にとっても、非常にやっかいで悩ましい問題です。そんな中、私がアップルで非常に誇りに思っているのは、アップルは勇気と責任を振り絞って、顧客に代わり、この難しいトレード・オフの中での最良のバランスを見つけ、難しい決断を下し、そしてそのバランスの中での最良の製品を作るということを実践している点です。
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我々はユーザーに変わって、製品の理想的なバランスという難しい決断を下しているのです。これは大変に勇気がいる行為ですし、我々の決断に不満を感じる顧客が出てくる危険もはらんでいます。しかし、こうしたタフな決断を下すということが、長期的に見ると、ユーザーにとって非常によい体験を提供することになるのだと我々は信じています。

確かにそうなんです。こんなの作ったよ。いい感じでしょ。こんな風に使うんだよ。というメッセージが、彼らからは伝わってくるのです。フロッピー、光学式ドライブ、取り外しできるバッテリー、こう使えばいらないでしょ?と言われて、そうかもな?とふと思ってしまうのです。それはなぜでしょう?

私が先ほどから言っている「すばらしい製品作りに対して責任を持つ」という言葉の意味は、単によいハードウェア、よいソフトウェアを作るというだけの意味ではありません。そこにはすばらしい購買体験を用意すること、つまりきちんとしたマーケティングをするということや製品サポートも含まれています。我々は顧客とのすべての接点に非常に気を配っています。

きっと、いわゆるお蔵入りになったものもたくさんあるのでしょう。ハードウェア、ソフトウェア、マーケティング、サポート(これは?な所もありますが^^)がきっちり揃って「いい感じでしょ」にならないものは世の中に出してこない、と。言葉に問題はあるかもしれませんが「勘違いや錯覚が混ざっていても、最後にはユーザーに"いい感じ"と思わせられるかどうか」をじっくり考えてるのではないでしょうか?特に最近はそう思います。(そういう意味でタブレットが結局出てこなくても驚かない)
そういえば、恋愛詐欺師というドラマがありました。詐欺に引っかかった女の人が、みんな満足して被害届を出さないという話でした。

2001年の講演、スティーブ・ジョブズは、パソコンの進化の最初の波はMicrosoft Officeのような生産性アプリケーションの波で、その次がメールやWebブラウザのようなインターネットアプリケーションだと言っていました。そう考えると、デジタルハブは第3の波になるわけですが、この第3の波到来によって第1と第2の波がなくなったわけではありません。
 我々は今日でも生産性アプリを使いますし、メールやWebも活用しています。つまり、パソコンの新しい活用法と言うのは、決して前の活用法を消し去るものではなく、加わっていくものだと思っています。例えば今日ではfacebookのようなソーシャルネットワークの活用が盛り上がっていますが、そういう新しい習慣によって、デジタルハブの利用がなくなるのことはありません。

至極あたりまえですよね。新しいものが世に出たからと言って、たいていの人は目の前のパソコンを使い続けていくわけで。もちろんメーカーとしてはモノを買ってもらわないと始まらないわけですが、そんなことは隠してうまいことかっこ良く言っちゃえばいいのです。


週末に家電店のチラシに並ぶパソコンを見て、何年も同じ事を思います。「インターネットキー(キーボードのメールとかブラウザ起動用の専用キー)」「Windows Vistaモデル」「ワイドディスプレイ」「地デジパソコン」「ネットブック」「Windows7モデル」「タッチパネル」エトセトラ。それぞれ悪いものではないと思うのです。でも、キーワードで言われても一般の人たちには伝わらない。キーワードが分かるユーザーはキーワードでは食いつかない。どうしてそういうことが分からないのでしょう?こう使え!というメッセージが見えない。流行になるとそればっかり、メーカーごとの違いなんて全然分からない。そんな中でチラシやら店先にパソコンを並べて何を比較させたいのでしょうか?
会社の中で僕が思いつかないような事情も制限もあるのでしょう。だからきっと「悔しい」と思ってるメーカーの人もたくさんいると思います。僕も日本のメーカーに頑張ってほしいです。日本の技術者のはしくれですから。


いろいろ考えさせられたインタビュー。でも、一つだけ、記事で気に入らないところが。

これによりiPhoneから広がったマルチタッチ操作が、ノート型Macだけでなく、デスクトップのMacにも広がりました。ここまでが今年のMacです

MacminiとAppleTVにも触れてほしかったなー。日本向けインタビューなら尚更。